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教育には親の関わりを促すべし: フランスの研究

教育

教育の基本は親の関わりにあると思っています。

 

フランスの研究でその一部が証明されていました。

これも、ランダムに2つのグループをつくり、それぞれを比較した研究(無作為化比較試験)なので信頼できます。

Getting Parents Involved: A Field Experiment in Deprived Schools | The Review of Economic Studies | Oxford Academic

 

研究の対象地域はフランスのあまり恵まれていない地域です。

その中で、37の学校、215のクラス、約500人の生徒の家族が対象となりました。

 

どのようなことを行ったかというと、2,3週に一度、3回シリーズで子どもの学校教育へ積極的に関わらせることを目的に親を集めて会合や議論をしたということです。

もう一方のグループはこういうことを行いません。

 

効果の検討は、親には教育への関わりの程度(学校と家庭)などを聞きました。生徒の評価は、成績や問題行動、欠席数を評価しました。

 

結果は・・・

プログラムを受けたグループの方が

・親の教育へのかかわりや学校への好感は強くなりました。(その強さはそこまで大きくなかったようです:自分のための備忘録:Cohen's d=0.1, 0.2, respectively)

・子どもの方は、成績がよく、欠席数が少なく、問題行動もなかったということです。

(この強さもそこまで大きくなかったようです:自分のための備忘録Cohen's d=0.1)

 

私の感想:効果はそれほど大きくないとはいえ、お金もかからないし、難しい介入を行ったわけではありません。親が子どもの教育にいかに関わるように促すかというのは重要ですね。

逆に、こういう介入をせずとも、自分達で積極的に子どもの教育に関わるようにすることも大事と思います。

 

 

 

塾通いについて

教育

子どもの教育について日々悩んでいます。

 

私自身は今までほぼ塾・予備校は通ったことがありません。おかげで若干回り道もしていますが、そのかわり、試験のコツは会得して、大学卒業後の試験は落ちたことがありません。しかし、子どもを持ってからというもの、どういう教育が果たして良いものかと悩んできました。

 

これまで出会った方で、すごいと思える方は、知識、思考、行動、人間性が優れている方々でした。科学的でありながら、歴史を踏まえて、個々の知識を十分咀嚼しているように思うのです。

 

そういうものを身につけてもらうにはどうしたらよいか?

とりあえず、まずは日常生活が人間的であった方が良いかなと思ったのと、考えるということを伝えるのがよいかな、という発想のもと、子どもが小さなころは、よく遊んだりしてみました。勉強といえば、計算というより、少しパズル的な要素があったほうがよいかなと思って、そういう問題集をやってみました。

 

ただ、中学受験を意識して、塾の試験を受けてみると、このパズル的なやり方がよかったのか若干自信がないです。低学年の頃は結構点数が取れて、うちの子は頭がいいなあとおもったりしていたのですが、入塾しようとする3年おわりの試験では良いクラスに入れない点数で悔しい思いをしました。悔しがらせる塾の戦略では、などと言い訳してみたり。

 

パズル自体について振り返っても、思考はしますが、何か目的がはっきりしない。でもって、それで計算力がとてもつくわけでもない。そんなことを経ながら塾へはいりましたが、塾に対する見方が変わりました。塾に対しては、詰め込みだろうという不信感がありましたが、それは間違っていたように思います。

 

子どもは4年生から日能研に通い始めているのですが、テキストが非常によい。なぜこれを学ぶのかという意味から入っている。これだったら、もっと低学年からはいっても(時間がそんなに長くなければ)よかったかなともおもう日々です。

 

でも、まだ模索は続けていこうと思います。

3歳から4歳の間の教育は影響力が大きいようだ

教育

自分の子どもをどう教育するか?大変悩ましいところです。

 

米国では1962年から1967年の間に非常に説得力のある研究が行われました。

 

3歳から4歳の家庭の恵まれない64人に対して、ウィークデイの朝に毎日2.5時間の教室、1週間に1度90分先生が家を訪ねるというプログラムをしました。

 

この研究はこのようなプログラムを実施する群とそうでない群にランダムに分けて、比較した調査ですので、信頼できる調査です。

 

その結果、IQ自体は4年間フォローすると差が無くなりましたが、40歳時点で両群を比較すると、プログラムを受けた群のほうが、テストの点数が高く、より高い教育を受けて、給料も高く、家を持っている割合も高く・・・ということでした。

 

古い研究ですが、説得力があります。

この研究対象はやや特殊かもしれませんが、早いうちに教育を行うというのは良いようです。

しかしどのような内容で行ったらよいのか?そこは考えどころですね。

パニック障害にも認知行動療法が効く

パニック障害

パニック障害にも認知行動療法が効果があります。

 

パニック障害というのは、動悸、息苦しさ、ふらつき、どうにかなってしまいそう、死ぬのではないかなどなどの不安、恐怖が急に起こるという障害です。そういう発作は数分でピークに達して、通常は2,30分ぐらい続き、1時間以上続くことはあまりないと言われています。

パニック障害にどんな心理療法が効くのかを、色々な心理療法を比較した研究があります。

Psychological therapies for panic disorder with or without agoraphobia in adults: a network meta-analysis. - PubMed - NCBI

これによると、認知行動療法が一番反応率(ある程度改善する)が良かったようです。ただ、研究に含まれている心理療法認知行動療法、行動療法、認知療法、身体に働きかける治療、精神分析だったので、その他の心理療法については分かりません。そうはいっても、その他の心理療法ではあまりしっかりとした研究がないというのもあるように思います。

 

どの程度効くかというと、この論文によると、何もしなければ100人中36人しか完全に回復しないけれど、認知行動療法をすることによって100人中61人が完全に良くなるという位の差ということでした。

 

実際の治療では、薬物療法があるので、心理療法と組み合わせることでより効果が期待できます。

うつ病に行動活性化はどれだけ効くか?

医療 うつ病関連

 これまで行動活性化は費用も安く、行うにもバリバリの専門家でなくても良さそうで、効果があるということをご紹介してきました。では、どれくらい効果があるのでしょうか?

 

 こんな研究があります。

 

journals.plos.org

 

 この研究は以前にご紹介した、研究の信頼性でいうと最も信頼できる、”メタアナリシス”になります。

 行動活性化を受ける人と、何もしないか普通の治療を受ける人を比べた研究(しかもランダムにどちらかに振り分けられる)は25研究あり、足し合わせると1088人の結果が解析されました。

 結果、2.5人に1人は何もしないか普通の治療よりも良くなった!ということが分かりました。

 やっぱり行動活性化はよいですね。

 

 

 

何が信頼できる情報か?

医療 情報の質

前回は一つ研究をご紹介しました。このサイトでは色々な研究を紹介していこうと思いますが、果たしてその研究が信頼できるかといことも考えなければなりません。

 

研究には色々なスタイルがあります。たとえば、○○を飲んだら効いた!という一人の感想とか、何人もあつめて、飲んだ人と飲まない人を比較したなどなどです。

 

一番信頼できないのが、偉い先生が私はこう思っている、というものです。良く色々な宣伝でなんとか博士の写真付きで商品が売られていますよね。実験や検討もせずに個人の経験で話すわけですから、証拠がありません。

 

次に信頼できないのが、症例報告です。これは、Aさんはこれを飲んで良くなりました!というものです。一見これは効くかもと思ってしまう訳ですが、もしかするとAさんはそれを飲まなくても時間とともに良くなったかもしれません。友達がこれが効くよと言いながら、自分には効かなかったということはありませんか?本当に効くか効かないかは、あるものを使った時と使わない時で比較しないといけません。

 

というわけで、比べようと言う発想が出てきます。まず、病気を持っている人と、そうでない人を集めて見ます。それから、それぞれのグループで、あるものを使っている人とそうでない人がどれだけいるか見て見るのです。病気でない人であるものを使っている人が多ければ、これは効果がありそうと思いますよね。

ところが、この方法は実際には後付けです。例えば年齢、性別、職業、食べているもの(無数・・・・)、習慣(無数・・・)などなど比べて見たら、なにかかにか違いがあるものです。違いがあるものを取り出して、これが効くといったところで、本当にそれが効いているのか信頼できません。

 

そこで、じゃあ、後付けでなく見て見ようと言うことになります。あるものを使っている人、あるものを使っていない人を追跡していって、その後、どちらが治るのかとかを見ていきます。こうすれば、後付けではないのでまだ信頼ができます。

ただ、ここでも問題があります。ある物を使っている人はそういう積極的な姿勢だから良くなったんじゃないかとか、良くなりそうな人を選んである物をつかったんじゃないか、とか考えることもできます。商売をする人だったら、そうしそうですよね。

 

そこでそこで、そういうよこしまな意思が入らないように、ある物を使ってもらう人とそうでない人をくじ引きのように、ランダムにきめてしまおうという方法があります。ランダム=無作為にあるグループとあるグループに分けて比較しよう、というところからランダム化比較試験とか無作為化比較試験と言われたりします。

こうすれば、理論的には二つのグループは似たようなグループになるので、変な意図も入らないし最も信頼できる研究と言えます。

 

ただ、さらに信頼できる研究があります。それは上記のランダム化比較試験をたくさん集めてきて、その結果を全部総合して、今の世の中の研究を全部合わせると、最終結果はこうです!という研究です。これをメタアナリシスといいます。メタというのは個別のものを超越して全体をみるようなイメージです。アナリシスとは分析という意味です。

 

以上から、みなさん、何か誰かが言っていたらメタアナリシスやランダム化比較試験かどうか見て見ましょう!

 

 

 

 

うつ病に行動活性化は良い

医療 うつ病関連

昨日は認知行動療法の中で、行動活性化が注目を浴びてきていることの御紹介をしました。(認知療法もとても役に立ちそうということもご紹介しました。)

行動活性化は専門的な訓練を受けていない人が行っても効果があるかもしれないという研究があるのでご紹介します。

 

あまり行動活性化に習熟していない人がやる行動活性化と、心理士が行う認知行動療法を比べた研究です。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

研究参加者:18歳以上のうつ病患者(イギリス)

比べたもの:精神科関連の医療関係者だけれどもカウンセリング専門ではない者が行う行動活性化 対 心理士が行う認知行動療法

いずれも16週間で最大20回(1回1時間)のカウンセリングを行います。(ただ実際には11,12回ほどが平均回数でした)

何で結果を判定したか?:1年後の落ち込みの点数

結果:両者は同じ効果。しかも、コストが48000円ぐらい安い!

 

多くの方に行動活性化の方法が定着すれば随分と有用ですね。