精神科医のブログ 臨床・生活・教育・経済

精神科医が語る、医療、生活、教育、経済のブログです。

認知行動療法、認知療法、行動療法

カウンセリングといっても色々あります。

幼少期の親子関係を聞いて見たり、夢を話してみたり、箱庭つくってみたり・・・

その中でも研究で効果があると証明されているのが、認知行動療法です。(他に効果が証明されているのが、対人関係療法とか持続的曝露療法とかEMDRなどなどがあります)

ただ、他のカウンセリングが効果がないと言っているのではなくて、他のカウンセリングは研究で効果を証明しづらいと言うことなのです。

認知行動療法などは、カウンセリングの手順書が書きやすいので、訓練をすればどんなカウンセラーでも似たようなことができます。ところが、夢を話すとか、幼少期の親子関係を解釈するとかいうことになると、どうも経験が物を言うらしく、手順などといっていられないので、カウンセラーによって随分と結果が違うというふうになるのです。

 

認知行動療法というのは、認知=物の考え方のバランスをとったり、行動によって気分を変えようという療法です。

調子が悪くなると偏った考え方になりがちなので、そこを立ち止まって修正するということが認知からの方法。楽しい行動、達成感のある行動をすることで気分を改善したり、現実的な問題をしっかりとした方法を使って解決しようというのが行動からの方法です。

私が認知行動療法をやりはじめたころは、どうも物の考え方を修正していくより、行動に働きかけた方が改善が良いような気がしていました。実際に認知行動療法と行動に焦点を当てた行動活性化は同等という研究も最近出てました。(下記はまた機会をみて詳しくご紹介しようと思います)

www.ncbi.nlm.nih.gov

ところが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知処理療法というものをやり始めると、これが非常に効果的ということをかなり実感します。これは、行動ではなく、認知に働きかける治療なのです。

ということで、認知療法の強さがすごいなあと実感する日々です。

 

はじめに

精神科医療に携わってまずまずの時間が経ち、総合病院、精神科病院、クリニック、往診、果ては海外など様々な場所で働いてきました。

しっかりとした知識や技術が身についてきた今、1対1の診療をこえて、より多くの方のお役に立つべき時期になったと考え、ブログを開設することにしました。

精神科医療と言うと、一体どんな医者やカウンセラーがいいのか、どんな治療法が良いのか迷うことも多いと思います。

実際の所、これが正解ということは言いづらいことも多々ありますが、これまでに得た、そうしてこれから得る経験や知識から情報を発信していけたらと思っています。

少しでも世の中に貢献できれば、これ以上の幸せはありません。

 

また、専門以外にも自分の子どもの教育や、自分の生活を立てていく経済など、思いつく限り色々と記事を書いていこうと思います。

 

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